視えるんです

霊感のある漫画家さんのコミックエッセイを拝見してから、彼女の本が欲しいんです。

視えるんです。 実話ホラーコミックエッセイ (幽ブックス)

視えるんです。 実話ホラーコミックエッセイ (幽ブックス)

視えるという友人が私にもいますが、どう視えるのか聞いてみても、曖昧に視えるから曖昧にしか説明できないと言われたのですが、この作家さんの視点からの視え方がわかって興味深いです。

大変だなあ、霊感のある人って。
ほんとそういうのなくてよかったなー、と自分の幸運に感謝。

Dさんはそういうのまっっったく信じない人ですが、私は私に嘘をつく理由もない友人や他界した父の話などを聞いているので、十分あり得ると思ってます。

あと犬と住んでたころ、たまにありましたもん。
誰もいない部屋の隅をじぃーーーーっと見つめて、「何見てんの?んん?どした?」と声をかけてもその一点を見つめて完全無視する愛犬。(普段絶対私を無視しない子)

ガルル、とか唸ったりしたことはないので怖いもんではなかったようですが。


同じ家で実は私も珍妙な体験をしまして。
そこは人工島の新しいマンションのしかも13階。
以前他に誰か住んでいたわけではありません。

祖父母と暮らしていた家に祖父母を残してそのマンションに越したあと、祖父が他界し、祖母がマンションに同居するために引っ越してきました。私にとっては仕事が忙しかった母よりも、幼少時代の時間をたくさん一緒に過ごした祖母です。いつも一緒でした。もうベタベタのおばあちゃん子です。

その祖母も祖父が他界すると後を追うように1年後に亡くなりました。私は祖母の死を乗り越えられず、何年も仏壇の前でめそめそ泣いていました。

祖母が他界した後、高校生でほぼ帰宅部だった私はいつも帰宅一番乗り。犬の世話をしたり勝手にご飯作って食べたりしていました。

ある日、キッチンに立って皿洗いをしていると、ふと誰かがダイニングの方からぐるっと回ってキッチンにくるような気配が。

顔を上げないまま「あ、おばあちゃんか」と思ったものの、すぐに祖母は他界していることを思い出し、顔をあげると、ぐるっと回ってキッチンに入ってくるときにある壁にさっと消えるクリーム色の着物と後ろ帯が見えました。

壁の反対側から、さも誰かが現れるのを一瞬期待した私はそこでまた誰もいないはずであることに気がつきました。

『およよ、今のはなんだ?何を見たんだ?』

しばらく呆然としましたが、妹たち(ワンコです)はおとなしくソファで寝てるし、気味が悪い感じもしないので、ここは都合よく『今のはおばあちゃんだった』ということにしておこう、という結論を勝手につけて、あまりその後は気にしませんでした。


返ってなんかホッとしたというか。
見守ってくれてると、思い込みでもそう思うだけで、祖母の他界をなかなか乗り越えられない私の助けになったと思います。


あと説明できない出来事があったのは、中学のとき。
確か祖父は入院してて意識がほとんどないか他界した後だったと思います。

中学のとき、(今から思えば)鬱だった私は、毎晩帰宅してからご飯だと呼ばれる7時ごろまで、4畳半の自分の部屋に電気もつけずにこもっていました。

こもっていた、というよりは、夕方からずっとラジオを聴きながら天井見つめているうちに、暗くなり、暗くなっても電気をつけようとしなかったという感じです。

私の部屋はマンションの13階の家の14階にあり(メゾネットというやつです)、周りにはマンションも建ってなくて、カーテンもいらないのでしていませんでした。

その日は満月に近かったのか、月明かりだけで部屋が見渡せるほど明るい夜でした。

ところが、月明かりがあたっているはずの部屋の一角が暗いのです。真っ黒なんです。窓の反対側でしかも4畳半の部屋だから、影になっているはずのない場所なんです。

『あれ?おかしいな。』

と月明かりが入ってくる窓の方とその部屋の角を何回も交互に見て、そしてジィーーーーっとその真っ黒な部分を見てもなんでそこが真っ黒な影になっているのか全くわからない。

電気をつけてみると、普段どおりの部屋。

また電気を消してみると、その角はあら不思議、もう影になっていませんでした。


そのときもあまり気味が悪い感じはしなかったので、結局誰にも話さず。まあ、誰かがじっと見てたんだな、くらいに思いました。

今から思うと、祖父だったのかなあ。
父や兄にはすごく厳しかったのに、私にはものすごく甘い祖父でした。痴呆になり始めたころはよく、以前一緒に住んでいた家のリビングでひとりで遊ぶ私を遠くからじぃーーっと見ていた祖父。じぃーっとまた見てたのかな。


ちなみに3歳くらいのとき、私は神戸の某山手住宅街で小さいカラス天狗を視たそうです。(苦笑)まだ知るはずもない山伏の格好や鳥のくちばしのある顔とか細かく説明していたそうです。(母談)

それが「うわーっていっぱいおるから嫌やってあんた言うてたよ」だそうで。



怖い思いはしたことないですけど、視える人って大変だなあと思う今日この頃でした。