QOTSA @ Billings

Billingsは小さい町だった。Queensはもちろん初めて公演をやる。今度の田舎町ツアーにぴったりの町ともいえるのかもしれない。Boiseのように、待ちに待ってたとばかりに爆発するような観客になるのか、はてまた「おおうナンダコレワ」と圧倒される観客になるのか検討もつかない。

会場らしい場所はMASONの教会とかある怪しげな場所。行って見るとまだ時間も早いためか大きな駐車場にはまだ車は数台しかない。建物裏に回ってみるとやはりBoiseで見かけたツアーバス

アーバスにこっそり近寄る私。(笑)セキュリティは誰もいない。バスは停車しているけどエンジンがかかっている。エアコンをつけるためか、ってことはメンバーはバスの中。

後ろから近寄ってみると、ライセンスプレート(ナンバープレート)の横に上の写真のようなプレートが。「Q−MAN」て書いてある。(笑)アハハ。写真をパチリ。

根性ナシの私はツアーバスのドアをたたくことももちろんせず、ただその黒塗りで中が見えないバスの窓を名残惜しそうに眺めながらその場をさったのでした。(笑)ここで軽くタコスで腹ごしらえ。休憩してから会場にもどるともうかなりの人たちが集まっていました。ツアーバスのすぐ近くに駐車。wまたしてもツアーバスの方を振り返りながら表の入り口へ。

会場が開くのを待っている間、集まっている人たちを見渡す。・・・・・・・・高校生ばっかりだ。十代ばっかりだ。しかも私ものすっごい浮いてるんですけど、ひとりアジア人だし。やだなあ。このなりゆき。音楽聴かないでモッシュしたがる連中ってこういうガキんちょでなかったですか?ギターがうるさいからってモッシュする音楽だとは限らないんですよぉ?Queensはグルーヴですよグルーヴ。

さて会場が開いてビックリ。ここは体育館。床はバスケットコート。サイドには観客席用みたいなひな壇が出ているし・・・。うわー、こんなところでQueens観れるなんてすごいやあ。プロムですか?今日は?みたいなジョーク飛び出しそう。(笑)

フロアの前のほうにひとりでじっと立つ。誰も話しかけてこない。ガイジンになれていないからね、田舎の白人少年たちは。Dさんは始めからひな段に落ち着いている。ステージと観客の間には空間があり、セキュリティが何人も怖そうな顔をして立っているが、柵がない。

柵は、実は大変重要な役割を持つ。バンドと観客の間にバファーゾーンを作るので、ステージに飛び上がるオバカさんがまず出ない、そしてステージに向かって観衆が圧迫されすぎた場合、苦しんでいる人をセキュリティが簡単にひっぱり抜いてくれることもある。

ところがこの体育館のような会場では、柵がない。セキュリティはQueensが始まっても、観客がこの空間をあけると思っているのか?!私のまわりでも口々に「ありえない」と聞こえる。あーますますいやな予感。

そして暑い、たまらなく暑い。スカートの中で汗がつぎつぎと足を伝って降りていくのがわかる。さっき会場入り口でも、あわててどかっからステージ用の大きな扇風機を難題も運び込んでいるのをみたところだ。この会場にはエアコンがないのだ!!そとは40℃を超える暑さ。
それでバンドもエアコンのあるバスにずっといたんだ。

Billings – Shrine Auditorium – 29 July 2007
1. Monsters In The Parasol
2. Misfit Love
3. Burn The Witch
4. Into The Hollow
5. Little Sister
6. Suture Up Your Future
7. Better Living Through Chemistry
8. The Lost Art Of Keeping A Secret
9. 3’s And 7’s
10. Song For The Deaf
11. Go With The Flow
12. The Fun Machine Took A Shit And Died
13. Make It Wit Chu
14. Sick, Sick, Sick
15. No One Knows
16. Song For The Dead (encore)

前座のGasoline Angelsの間はまだおとなしかった観客も、いざQueenが始まると一斉にステージに向かって押してきた。

私もムギューと押される。Misfit Loveまでは頑張ったけど、Burn The Witchで周りの男子が本気で私や私の周りの女子を無視して押すわ飛ぶわで、まさに床に向かってぐんぐん埋もれていく勢い。これだから大人がおらんライブはいやだ。

身の危険を感じてふと左手をみると、これまた怯えた様子の少女と目が合う。「I'm gonna get out of here!(私はここから出るよ!)」と叫ぶと彼女もうなずいて付いてくる、という様子。一緒に右手に向かってちょっとずつ押しながら動くが、これまた飛び切りのオバカさんがものすごい勢いでステージに向かってぐいぐい飛びながら押しているので行き詰る。そのオバカさんに私は「Let us go through!(通しなさい!)」と怒鳴りつけると、「Alright!(ああ、いいよ!)」と言ったかと思うと私の両肩を掴んで180度回転。気がつけばやっとサイドに出れた。しかし例の少女を私は見失ってしまう。

ご冥福をお祈りします。(−人−)

ひな段で大人たちとおとなしく座って観ているDさんと合流。エアコンがないとはいえ、密集エリアと比べてかなり涼しい。そのあと私はひな段でひとりだけ立ち上がって踊っている変なアジア人と化し、周りなど気にもしないでひとりで踊り狂ったのでした。(笑)

柵がなかったため、案の定、上半身裸のオバカさんがステージに上がり、「Fun Machine」のソロ中のJoshにこともあろうか抱きついてほほにキスをした!(って自分がゲイに差別しそうなマッチョキャラなくせしてやってることわたってんだろうか)。Joshご立腹!ギターを抱えたままのJoshにそいつは降り飛ばされ床に倒れる。しかし曲は止まらなかった!Joshはなんたって196cmくらいあるんだもの、ムキムキだし。強いわよ。セキュリティにオバカさんはすぐ後ろ手で連衡される。
Billingsも柵はつけるといいよ、次回から!w

Fun Machineの「♪You're 10 pounds of shit in a 5-pound bag♪」って面白いくだりがあるんですが、Boiseではここを私と同じように待ってましたとばかり叫んだ人がたくさんいて、それはそれは楽しかったのです。Billingsはやっぱりなかったですね、その一体感は。大体観客だって体育館半分くらいしかいないんだもん。前はギュウギュウ詰めだったけれども。Boiseはライブハウスに超満員だったしね。

Boiseではやらなかったけどこのとき聴けたのが「Suture Up Your Future」!!とても意外でした。でも好きなんで嬉しかったです。そして「Song For The Deaf」これ、ワルツなんですよね、リズムが。良く考えるとすごい。TroyとJoshのギターがシンクロするところもなんだかバロック調でクラシック音楽に通じるもんがある。
そして個人的に嬉しかったのが「Little Sister」。いやーーん。かっちょセクシー。セクシーといえば「Make It Wit Chu」また聴けてシアワセ。

やっぱり今日はなんだかJoshもHumbleというか言動がおとなしい。未成年が多いのを意識してか、いつものFワードが全く飛び出さない。ウイットに飛んだ皮肉なジョークもセクシージョークもない。
初めての場所だからもうセットリストもグレイテストヒッツって感じだし。

さて、終わってあんまりにも喉が渇いたので水を購入。1本2ドル。お手洗いに行ってきたDさんと合流。出口で「Era Vulgaris」のカバーのキャラクターなどのステッカーを数枚もらう。

さて、建物の裏に回るとすでにセキュリティが数人にツアーバスのあるエリアから離れるように注意しているじゃありませんか。えー無理なのかなあ。出てきてくれないのかなあ。まーJoshは足が今悪いしなあ。(ひざじゃなくて、足首だそうです。4年まえに足首脱臼したとか。)

自分たちの車のあたりにいても、立ち去るように言われるので参ったなあと思っていたら、そこに表側からツアーバスに向かってツカツカと歩いてきたのはなんとEagles Of Death MetalのJesse!!

即座に駆け寄って声をかけると、すぐ「Oh, hey guys!」と2日前に会ったのを覚えていてくれました。あとファン数名と前説をやったローカルラジオDJがJesseの周りに集まりました。

セキュリティがきてJesseのバックステージパスを確認。今度は私たちを追いやろうとしましたが、Jesseが「These guys are with me, that's my brother, that's my friend,(こいつらは俺の連れだから。あれはおれの兄(弟)で、こっちは友だち、それで・・)」となんとまあファンまで守ってくれたのです。私を指差して「That's my sister, and this guys and all the way to that guy in the yellow Shirt.(これは妹で、これもそうで、あの黄色いシャツのやつまで(が連れだ)だから。」といいました。Dさんが黄色いシャツを着ていたのです。

そのあと小さい輪になって雑談。Jesseはオーストラリアで教わったという超下劣なジョークを披露。(笑)一同引き笑い。DさんがTrainwreckのシャツを着ていたのをDJが気がついて、話題がTenacious Dになる。ジャック・ブラックとカイル・ガスのフォークコメディバンドである。Trainwreckはカイルのバンド。ジャック・ブラックはQueensとも交流があり、前作のアルバムでもクレジットこそ載ってないけど一応参加している。

Jesseはそこで「ジャックは本当にいいやつだよ。彼は開いている時間はいつも子どものためのチャリティやってる。でも誰も知らないんだ。本当のチャリティってのは匿名でやるもんなんだよね。」と発言。ますますジャックが好きになる。

まもなくしてMichaelが出てくる。今回からQueensに参加したベーシストである。ステージ上では髪を振り乱して、コーラスも雄叫びで男らしいが、現われたMichaelはかなり物静か。PAから手に入れたセットリストを持って、サインをお願いする。Boiseでは私はこの人の目の前だった。
「You were really great tonight and at Boise too.(すごく今夜はよかったです。ボイジーでも!)」と声をかけても小さく「あ、ありがと」と応えただけの内気なにーさん。

Jesseはツアーバスにカバンを置きに行って戻ってきた。どうやらレコーディングをしていたBoiseから飛行機で飛んできたところらしい。「ところでどうして今夜はMake It Wit Chuをゲストで歌わなかったですか?」と聞くと「ステージから呼んでた?今日は俺、間に合わなかったんだー。」

Eagles Of Death Metalは現在アルバム製作中。でも指揮をとるのはJoshだから、Queensのツアーにできるだけ仕事ができるように付き添っているのだろうか。QueensやりながらEaglesもやってるJoshってすごいわ。

カメラを持っていたのでJesseと写真をお願いするものの、知らない間にDさんがライブ中に動画をとりまくっていしまい、カメラを構えた途端に電池切れ。私がライブのあといるってこと忘れてたらしい。
Jesseと写真が撮れる日が来るまで私は許さない。(笑)
かなりガッカリする私にJesseは大きなハグ数回とほっぺにチューをくれた。エヘ。

何度も「ありがとう」と繰り返してからJesseとMichaelに手を振って別れる。残りのメンバーは出てきそうにないし、バスにしかエアコンがないなら疲れているし出てこないのは当たり前だ。

楽しかったし、これで大満足、と二人で部屋に戻り、これまた横になったとたんに寝てしまった。