Kabhi Alvida Naa Kehna (Never Say Goodbye)

Kabhi Alvida Naa Kehna (2006) - IMDb

先週のことですが、話題のインド映画を観に行きました。
インドといえば、アメリカよりも映画の製作数を超えるという映画大国。しかもそのほとんどがミュージカルか、登場人物が歌うシーンが入っているもの。

その中でもこの作品は、インド映画史上最高の予算額だったそうです。たしかにすごいお金がかかっているのはよくわかりました。

日本でも、インド映画は10年位前にブームになりましたよね?
今は亡き「扇町ミュージアムスクエア」隣接の小さい映画館まで観に行った思い出があります。

月に一度、地元のインド料理屋さんが主催して、インディペンデント映画(インディーズ映画)専門の老舗映画館Tower Theaterで最新のヒット作の上映会が行われます。

私も以前一度、インド映画の大ファンのクルドアメリカ人の友達と観に来たことがあるのですが、今回はDさんも参加。

上映が一回限りというわけで、ドレスアップした地域の在ソルトレイクインド人がわんさか集まる大イベント。
前回はインド人じゃなかったのは私たちだけでしたが、今度のはDさんのようにウワサを聞きつけた白人、ほかのアジア人などやや多様になっていました。

インド映画は通常、3時間はあります。
しかも第1部2部と分かれていて、インターミッションまである。
昔映画ってだいたいそうだったらしいですよね?
映画館でたら4時間近く経ってましたヨ。

「風とともに去りぬ」も「サウンド・オブ・ミュージック」も3時間くらいあって、当時の上映ではインターミッションがあったはず。

今の映画業界はアート性より営利性を求めるので、どの監督も映画は2時間か90分以内におさめるか、「ロード・オブ・ザリング」のように作品をわけるしかないようです。

映画館側は、3時間だと回転が悪いので嫌がるんでしょう。
映画会社も「売れる作品」を追及するのでそうなるのかも。
ちょっと寂しいですね。

ところで話は戻ってインド映画。
今回のはちょっとメロドラマすぎたかな?
でも設定が在米インド人で、英語もふんだんに混ぜた会話。
英語はインドでも公用語なのでマゼマゼですが、設定上アメリカの観客も意識してか、英語の比率が高かったです。
コミカルなせりふもあったし。

やっぱり歌と踊りは圧巻です。
衣装とかすんごいんだ。きれーなの。

インド映画はインド人とみなきゃ!とDさんが私に力説したのは、インドの人たちと見ること自体が「体験=Experience」であること。

スターが画面に現れるたびに、拍手と歓声が映画館に響き渡ります。キャーーーー!とか黄色い声援とかすごいんだ。
なんたってこのオールドファッションなリアクションが楽しいのなんの。

話の流れは、NY在住のやや上流階級のインド人の男女の話。
DevはNYのサッカーチームのエース。奥さんはトレンド雑誌のカリスマ編集長。二人は大学時代からの親友。

Mayaは家族同士の付き合いがあった家に、両親がなくなってから引き取られ、そこの息子とは文字通り兄弟のような愛情をもった仲。結婚を申し込まれて6年でやっとイエスと答えます。

Mayaの結婚式当日。
自分が思い描いていた「結婚する相手に抱く愛情」とは違った家族的愛情しか婚約者に持てない彼女は、結婚式場の外で花嫁姿のまま、悩んで思いとどまっているときに、式場でケータリングをしている母親の使いでやってきたDevと知り合います。

Devに説得されて、「愛されている相手と一緒になって幸せになる」決意をしたMaya。ふたりはそこで「またどこかで会いましょう」と別れます。

どこかお互いのことが妙に気にかかりながら別れた二人。
その直後にDevは交通事故にあい、足を怪我してサッカーが続けられなくなり、そのあと雑誌業界で大成功を続ける奥さんに対して卑屈になり、奥さんの仕事上のパーティに参加してもいつもムッツリ。

Mayaは、愛情を求める夫に答えることができず、やや鬱状態。PR(Public Relations)会社で成功をおさめた夫の派手なパーティなど社交の場に立たされることも嫌がります。

4年後、ちょうどお互いの結婚生活がうまくいかなくなってきた時期にふたりは、お互いの配偶者の仕事のためにつれてこられたパーティで再会。

ちょくちょく会って、どうにかお互いの結婚生活を立て直すために助け合っているうちに、恋に落ちてしまいます。

そっからはまあ悲しいストーリーなんですよねえ。
後半はもう笑いとかもまったくないうえに「これがエンディングか?」という流れが4回くらいあって、もうちょっと脚本に力を入れてくれてたらなーと思えて残念でした。
しかも何度も何度も泣くんだ、いろんな登場人物が。(苦笑)
ソープオペラみたいでした。

結局かわいそうなのは、本当に相手を愛している、このふたりの結婚相手。

そんでメッセージはなんだったんだろう?
やっぱり、結婚する相手は親友や家族のような愛情のある相手ではなくて、恋人としての愛情がある相手であるべきってことなのか?


いやーどうだろう。
結婚は親友とするのが一番いいっていう見解をよく聞きますけどねえ。大恋愛ってしたら結局親友みたいに意思疎通ができる仲になるもんじゃないの?

「ときめき」は長続きはしないし、そういうのを超えた関係が結婚だと思うのですが。皆さんはどうでしょう?


いやー、それにしても、この映画をみて、本気になるなら浮気はするもんじゃないなって思いました。(苦笑)したこたあないですが・・・。