Art School Confidential

今年1月の映画祭で観た映画のレビューを書いていくといいながら、
2作品分書いて忘れていました。すいません。

今日の作品は「Art School Confidential」。
監督: Terry Zwigoff

Art School Confidential (2006) - IMDb

おお!偶然にも今月12日から全米公開です。
オフィシャルサイト
http://www.sonyclassics.com/artschoolconfidential/

  • ストーリー (ネタバレ注意)

さいころから絵を描くのが好きで、素直に絵描きを目指してきた少年ジェローム
パンフレットに掲載されていたある女性のヌード画に惹かれ、
小奇麗そうな校舎に惹かれ、ニューヨークにある美術学校に進学します。

ところが、ついてみれば荒れたエリアにある荒れた美術学校。
しかも近頃連続殺人が起こっているとまでいうではありませんか。


気を取り直すようにひたすらデッサンの講義を受けるジェローム
そこでその日のモデルがパンフレットに載っていたヌード画のモデルであることを
知り、そこから彼の彼女への片思いがはじまります。


結局、美術学校に来たことによって、アートの世界が実際はどのようなものなのかを
知ってしまうジェローム
結局はコネクションとお金とソーシャルライフと意外性だけが
成功の鍵だと目の当たりにし、素直なジェロームはどんどん落ち込みます。
クラスの批評の時間も、どういうカッコイイ理由で作品がいいと思うかということが
正直なコメントよりも重視され、作品自体とは無関係になる始末。


しかも、自分が地道に積み上げてきたしっかりとした自分の技術よりも、
紙を丸めただけの適当な作品や、子供っぽい塗り絵調の作品を出した学生ばかりが
もてはやされ、自分のアートにまで疑問を持ち始めてしまいます。
片思いの彼女も実は有名画家の娘。
彼女ももてはやされる学生に惹かれてしまいます。


しかし彼女がジェロームの初期の彼女をモデルとした油絵を偶然ゴミ箱で見つけ、
彼への興味がわきあがりますが、ジェロームの落ち込みは鬱へと移行していきます。


打ちのめされたジェローム
そこから始まる彼の挑戦、「ウケそうな作品」を描くための痛々しい実験の数々。
結局は連続殺人事件にまで巻き込まれ、犯人にされてしまいます。


結局犯人にされてしまったことが、アーティストとしての名を上げるという
皮肉な結果になってしまい、現在のアートの世界を痛烈に批評した映画でも
あると私は思いました。


教授役のジョン・マルコビッチがかなりいい感じです。
彼は今週この映画の宣伝もかねて、Daily Show with Jon Stewartにも出演予定。
私がこの作品を見たときは、主なキャスト、監督、脚本、編集スタッフがそろった上映後の
質問会があったので、興味深かったです。
マルコビッチさんももちろんいらっしゃいましたヨ。うひょー。