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数ヶ月前の大雪の朝、Dさんは交通事故に遭いました。
ちなみに誰もけがなどしてませんのでご安心を。

すさまじく雪が降りしきっていたその朝、出勤してから具合が悪くなったDさんは
なぜか私に何も言わずに自宅に帰ってしまいます。
私たちが出勤したときはまだ雪は降っていませんでした。

私のオフィスに寄ってくれていれば、雪の中やってきたバイトさんから
聞いていたいろいろな道路の状況を教えてあげられたし、一番帰るのには
悪いタイミングだったことも知っていたので、事故自体起こらなかったはず。

「私に何も言わず帰るからそんなことになるんだ!」と叱りました。(笑)


何が起こったのかと言いますと;(日本のルールと左右逆です)
片道2斜線の道路の右斜線がある交差点で右折専用になり、その先からその道は
片道1斜線になります。

自宅へ帰るいつものルートで、この右折専用斜線から交差点で右に曲がります。
右に曲がると少し急な下り坂が、次の交差点まで100メートルほど続いています。


大雪だったので、いつもより注意して、ゆっくり運転していたDさんですが、
ここで右に曲がった途端、下り坂ですでにコントロールを失って停車している車が
突然目の前に現れました。

下り坂は除雪が十分でなく、かなりのすべり具合。
ブレーキを繰り返し踏みながら、サイドブレーキを引きますが、Dさんの車は
ゆっくり滑っていき、とまれません。

停車していた車はすでに木にぶつかったらしく、バンパーが落ちています。
その車を避けようと、少し高さがある歩道の側面に当てようとしたDさん。
それでも車はズルズルとすべり、バンパーのないその車を軽く当ててしまい、
突き出ていたものが、Dさんのパンバーに穴をあけました。


その車を運転していた女性はパニック状態。
Dさんは「大丈夫だよ」なんていってなだめてやったそうです。
それから1時間、必死でほかの車が曲がってきてあたらないように、雪の中
ずぶ濡れで2台の車を守ろうと、両腕を振って他の車に合図を送り続けたそうです。


やはりその朝は事故が多かったらしく、警察がくるのに1時間かかりました。
おまわりさんは女性の話を熱心に聞き、Dさんの話はめさめさ適当に聞いたそう。

とりあえず、車をあてたのはDさんだから、という理由でDさんがきっぷを切られました。


その日その話を聞いた私は、憤慨して、「なんでもっと説明しなかったんだ」と
問い詰めましたが、Dさんはそのときは後で説明すればなんとかなると言い張るだけ。


数週間後、罰金の明細が届きます。
金額は$97。

Dさんはもちろん異議申し立てに行きますが、その場で
「今、罪を認めて払えば、$75にしてあげる。拒否すれば裁判になって最高で$700の罰金になる」と脅されますが、「自分に罪はない」とDさんはそのオファーを拒否。

まー男らしい。
「絶対払わないつもりで頑張れ」と私が念を押したからかも。(苦笑)
裁判のプロセスになると時間もお金もかかるので、市としてはそれを避けたくて
そんな脅しをかけてくるわけです。


事故の原因はそもそも停車していた車の女性にあるわけです。
駐車できない、しかも死角に停車していた彼女。
次に曲がる車がDさんでなくても誰でもぶつけていたはず。
そしてその彼女はきっぷを切られていない??
私は自分がそこにいなかったくせに「ムキーーー!」と見たこともないその女性に
頭にきていました。


その後、簡易裁判に行き、無罪を主張したあと、本格的な裁判になりました。
実は昨日が裁判の日。
検察とDさんと裁判官だけの裁判です。

時間の2時前には裁判所につきますが、Dさんより前の裁判が長引き、結局4時まで
傍観。
問題の女性も証言するためにいたのですが、驚いたことに、彼女はDさんが事故のときの
警察官だと勘違いして、「今日は来てくれてありがとう」なんてほざいたらしいです。


結局裁判で彼女が宣誓したあとに、検察の質問に答えるスタイルで証言したわけですが、
なんと今度はいけしゃーしゃーと嘘の証言をしたというではないですか。
Dさんを指さして、「あの人が私の車にぶつけて損害を与えた人です」とのたまったらしい。

裁判で宣誓した後に嘘をつくのは犯罪です。
裁判が始まる前、傍聴席で、その女性はやけに落ち着きがなかったそうで、
それをわかっててやるつもりで緊張してたんじゃないかと思います。


女性は、Dさんがぶつけたせいでバンパーが外れた、とあきらかにDさんに罪をなすりつけ
修理代を払わせようというもくろみの証言をしたそうです。


ここで、これまで彼女に対して寛大だったDさんも頭にきたみたい。(苦笑)

Dさんはそこから弁護士なしで、自分で彼女に質問し(cross-examination)、
弁護士張りに彼女の証言の信用性をくずし、「Dさんの不注意で事故を起こした」
という罪がDさんにはないことを証明し、みごと無罪を勝ち取りました。
もちろん罰金もなし。


女性の記憶のあいまいさを証明した質問のやりとりのひとつはちょっとおもしろいものだったようです。

Dさん:「さっきあなたは私を指さして、私があなたの車にぶつけた人だと証言しましたね。」
The Bitch:「はい」
Dさん:「でも裁判の前、あなたは私のところに来て、『今日は来てくれてありがとう。』といいました。私が事故のときの警官だと裁判前は思っていたのではないんですか?」
The Bitch:「・・・はい、そうです。」


この女、誰が誰だかも覚えてねえ!(笑)


彼女が提出した証拠写真は、あたかもDさんがあてた部分がわざと見えないように
撮られたものらしく、「これじゃーあなたの主張の証拠にはならない」ってことも
指摘したそうです。


6時半に帰ってきたDさんは裁判での初勝利に大興奮。
と同時に、事故時に親切にしたその女性に恩をあだで返されたことにかなり腹を立ててました。
そりゃそうでしょ。
やっと私と同じくらい憤慨しているよ、この人。w
人がいいんだから。


お金のためならなんだってやる人っているもんです。
「事故の現場ではだれも信用しちゃだめだよ」と私が言うと、
今回は素直にうなずいたDさんでした。
ホント「気は優しくて力持ち」なドカベンのようなDさんです。(笑)



いやあDさん、普段「Law & Order」(刑事&裁判モノのドラマの再放送を毎日観たおしてきた甲斐があったなあ!


テレビ観すぎだって言えないなあ、これから・・・。(笑)