「食べるパンがないなら、ケーキを食べればいい」

昨日、バーバラ・ブッシュ元大統領夫人がヒューストンの被災者
受け入れ場所になっているアストロドーム(大リーグのドーム球場
を訪問したときの発言の記事とその抜粋とその翻訳を長々と一生懸命
書いたのに、消えてしまったよ〜〜。

書き終えたころに急いで帰ろうとして、
プレビューのままウィンドウ閉じちゃったんだろうか、私のアホアホアホ。

実際の記事はこちら:
http://www.cbsnews.com/stories/2005/09/06/opinion/main821528.shtml

記事のタイトルは「The Roots Of Bush's 'Compassion'」
=「ブッシュ家の『同情心』の根源」とまた手厳しい。

ブッシュ大統領がよく使うこの「compassion=同情心」。
実際は彼らの中にそのようなものはない、という意味でコンマで囲ってあるわけです。


要約すると、まだ離れ離れで行方不明の家族の心配をしている人、
長年住み慣れた家と町を離れざるを得なかった人、
子供におもちゃやペットだけでなく、友達ももう二度と戻ってこないこと
を説明しなければいけない人

そんな人たちが、簡易ベッドを所狭しとグランドに並べた状況の中、
プライバシーもない、試合用照明が常に落ちないその球場で、想像を絶する状況
のなかで被災者は暮らしているわけでしょ。

そこにバーバラ夫人が訪れていったのは、  

"Everyone is so overwhelmed by the hospitality. And so many of the people in the arena here, you know, were underprivileged anyway, so this, this is working very well for them," Mrs. Bush told American Public Media's "Marketplace" program, before returning to her multi-million dollar Houston home.

「誰もがここの厚遇に圧倒されています。そしてこのグランドにいるたくさんの人たち、彼らは以前から貧しかったんだし、だからこの方(被災してここにきたこと)が彼らにとっては結局よかったんです。」とブッシュ夫人は自分の何百万ドル(数億円)する自宅に戻る前に記者にそう言った。

記事はこう続きます。

On the tape of the interview, Mrs. Bush chuckles audibly as she observes just how great things are going for families that are separated from loved ones, people who have been forced to abandon their homes and the only community where they have ever lived, and parents who are explaining to children that their pets, their toys and in some cases their friends may be lost forever. Perhaps the former first lady was amusing herself with the notion that evacuees without bread could eat cake.

このインタビューが録音されたテープには、さまざまな状況の(要訳)被災者の状況がどれだけうまく改善しているかを答えながら聞こえる程度にバーバラ夫人がクスクスと笑っている。たぶんこの元大統領夫人は、被災者に食べるパンがないならケーキを食べればいいと思っているのだろう。

まあざっとした要訳ですけどね。
すべてがうまくいっている、うちの息子(大統領)はうまくやっている。
と、そういうメッセージを出すための、パフォーマンスですよね、この訪問は。
本当は物事がうまくいっていると感じている被災者なんてそこにいないはず。
先が見えないとてつもない不安を抱えて必死で生きてるんですよ。


信じられます?
まさに、記者が言うようにマリー・アントワネットですよ、この発言は。これがバーバラ夫人のメンタリティ。

どうせ貧乏だったから、今の境遇を考えたらこの方が彼らにはよかったなんて、
ほんとによく言えますよね。

ちなみに、国土安全保障省に移されたFEMA(危機管理局)の新任の長官は、
ブッシュ大統領(酒と麻薬に溺れた)学生時代のルームメイト。結局コネ、コネ、コネ。

まだ物資が不足しているさなかに「物資はすべての人にいきわたってる」って
記者会見で発言するような人で、未経験もいいところ。
しかも、着任時に渡された、1年半前に作られた危機管理マニュアルを、自分のじゃない
からと読みもしなかったそうです。

警察に言われてたどり着いた避難所に、数日間誰も取り仕切る人がいないまま、
何千人もの人が取り残され、死体があちこちに放置されている状態で、赤十字
は軍隊からニューオリンズ市内は危険だから入らないように止められたそうです。
赤ちゃんやお年寄りが、脱水症状でそこで死んでいったのは、できたはずの
水の空輸をあえてしなかったらです。


はっきりいって、見捨てたも同然。


覚えておいてほしいのは、ブッシュ家は実質的に貴族であること。
召使いに囲まれて生活している一家ですよ。
ブッシュ大統領も、自分でスーパーになんぞ行ったこともないので
もう当たり前のスキャンに度肝を抜いたそうです。

自分と関係者の私利私欲の追求に没頭し、とぼけにとぼけ通してまるく収め、
見せ掛けの同情心を見せるだけの、庶民とは思想も感覚もかけ離れたブッシュ家。

そんな家の人がこの国を動かしているなんて・・・。
ぞっとしませんか。